わたしのB面ブログ

娑婆に関心が持てなくて20代後半で尼寺に行った方がいいのでは、と考えていた人のお話

サクラ散ル

年々と桜の開花が早まってきており、異常気象の影響をひしひしと実感しております。昔は三月二十日ごろから蕾の様子が気になり、三月二十五日辺りから関東でも開花し始めていました。冬から春にかけて天気が安定せず、満開になるまで桜の成長を心待にしていたものです。遅いときは二週間近く桜を堪能できる年もあったり、桜が散るまでに楽しめる期間が今よりも長かった事を覚えています。しかも近年は雨が降れば直ぐに散る様な謂われで、それを鑑みてか桜もそれに合わせている様にも感じるのです。桜雨であってもそれによって咲きかけの桜が散ることは本当に稀で、そうなる時は強風が吹き荒れたときだったように思います。もう今では冬にも関わらず昔よりも暖かい日が多いため、三月ともなると一気に気温が上がり桜の開花も三月半ばが当たり前になっている気もします。だからか季節に追いやられているようで気持ちの休まる時がありません。季節に淀みがなければ零れ桜も二三日はもって、ブリンブリンに咲いた桜を堪能できるのです。

さて四月半ば頃は東北地方でも花は満開にならない季節ですが、今では見ごろも過ぎこの時期に散り始めている名所が多いのです。縦に長い日本列島で北上すればGW位まで桜を楽しめたのに、今では桜前線を追いかける速度に余裕もなくなってきている現状です。この状況はまるで、先の大戦で日本を護らんとする先人達が命を懸けて戦ったのと同じ様にも感じるのです。

詳しく授業で習わなかったので、寄せ集めの情報でしかその大戦の事を知らないけれど、玉砕を知らせる電報は「サクラ サクラ」であったそうです。日本軍はどの戦場に於いても、米軍が予想した期間を上回る日数を戦い抜いたそうです。真珠湾攻撃以来の戦いで日本軍の兵力減少に伴い、米軍の兵力や武器の数が日本軍を上回り、様々な局面で玉砕を余儀なくされてしまいました。殆んどの人がそうだと想いますが、戦局が悪化してサクラと聞くと神風(しんぷう)特別攻撃隊を思い浮かべる人が多いと思います。日本を守るべくして神になったとゆう表現をよく耳にしますが、桜が散るその有り様の如く大空に散っていったのです。

日本では何か悪いことをすると戒めの意味で、お天道様に叱られるよとかお天道様に見られているよなどの表現がありますが、勿論いい意味でも使われます。その事からも戦局が悪化したことで戦い散っていったその魂が、今お天道様となって私達の母国日本を見守って下さっているのだと実感できるのです。今はそうゆう事が少なくなってきている様に見えるけれど、何か考え事をしながら歩いていると急に何かにぶつかったり、気を付けながら進んでいた道で一人だけ頭をぶつけたりと、これがお天道様からの罰でもあり今の澱んだ気持ちを考え直す様に教えてくれているのです。

実際に桜の散る様子はその年によって違うけれど、風に乗って空高く舞う桜を見ると嬉しくて儚くも無常にも感じるのです。それは日本に刻まれた、未だに消えない戦争と桜に込められた念(おも)いなのかもしれません。